がん患者の12ヶ月 ①体調不良の冬

体調不良の冬
寒くなってきたなあ。
僕は、そう呟きながら仕事終わりに自転車をこいで家路を急いでいた。
12月初めににコロナのワクチンを打ってからというもの、なんだか体が重く咳も止まらなかったが、大体この時期には風邪を引きがちであったので、そのうち治るものと気にしていなかった。
僕は、29歳の会社員、ゆう。温厚そうとよく言われていて、冬場はだいたい風邪を引いている。好き嫌いはあまりないけれど、生トマトと青汁が苦手。身長に対して座高が高い、ダックスフント型おじさんだ。
「ただいま~」
「「おかえりー」」
家に帰ると、二人の声が聞こえてきました。妻の”はる”と、4才の息子の”タルト”だ。みんなかわいい。自慢の家族。
いつもは妻のほうが仕事場が遠いこともあって、僕より帰りが遅くなりがちなのだが、今日は先に帰ってきてくれたみたいだ。
「はるさん、今日のご飯なんにする?」
帰ってきた僕は、妻に何が食べたいのか聞いた。僕は、料理するのがそれ程苦ではなく、家では僕が料理を担当することが多い。
妻も作れないわけではないので、休みの日には時々料理を作ってくれる。
カレーとかは僕よりおいしく作る。
ちょっとくやしい。
ちなみに、タルトにご飯が何がいいか聞くことは少ない。なぜなら、毎回ハンバーグと答えるからだ。
「今日は、ファミレスでお持ち帰りにしようか。ゆうは今日もなんだかしんどそうだし」
「ぼくは、ハンバーグがいい!」
どうやら、妻は体調を気遣ってくれたみたいだ。そして息子よ。やっぱりか。
今日の晩御飯。みんなで美味しくたべた。
その時にはるさんが、「なかなか治らないから、早く病院に行ったほうがいい」といってきた。
こういう時の妻の助言にはすごく助けられてきているので、素直に病院に行くことにしよう。
はやくなおればいいなぁ。なんて思いながら。
こんにちは。ゆうです。今まであったことを試験的にちょっとずつ書いてみようと思います。
こういったことは、始めて小説風に書くのでどきどきしていますが、楽しんでもらえたら幸いです。
応援よろしくお願いします。
次回、「がん患者の12ヶ月 ②」